シェア

「作業時間を75%削減」ーービジネスサイドと本質から設計するCyberZエンジニアの開発スタンスとは

ビジネスサイドからの要望をそのまま形にするのではなく、ビジネスサイドと対等に議論し、事業課題を根幹から解決する。それが、CyberZのエンジニアが大切にしているスタンスです。
今回は、エンジニアのマネージャーの玉川さんと、広告事業のビジネスサイドとして制作現場の課題解決を推進する竹井さんにインタビューを実施しました。システム開発を通じて生産性を向上させるだけでなく、人のクリエイティビティを最大化する「CyberZならではのエンジニアリングの面白さ」について語ってもらいました。

■社員プロフィール

玉川さん(写真左)
2014年博士号を取得後、株式会社サイバーエージェントに入社。株式会社CyberZへ出向しF.O.X事業部のエンジニアとして従事(※1)。
同事業部PO/PMを経て、開発責任者を務める。2019年に広告代理事業部アドテク局マネージャーを務めた後、医療系やメディア系領域などを発足した新規事業にて開発責任者として従事。
現在は開発本部にて広告代理事業部の開発責任者として、AI戦略や技術的側⾯での⽴案と実⾏を担当。
(※1)F.O.XとはCyberZが開発した広告計測ツール。2019年に事業譲渡。

竹井さん(写真右)
2021年株式会社CyberZに中途入社。
電子書籍広告のクリエイティブディレクターを担当。
2026年にAIエージェント開発事業部に異動し、現在広告クリエイティブの制作支援ツール開発を担当。

ビジネスサイドと共に事業課題の“本質”から設計する開発体制

―― まずは、お2人の現在のミッションと、普段どのように関わり合いながら業務を進めているのか教えてください。
竹井: 私は数年間、漫画広告の領域でクリエイティブディレクターとして制作や納品のディレクションを担当してきました。2026年1月から現部署に異動し、「漫画広告の制作現場をより良くすること」をミッションに、システムを活用した広告クリエイティブの制作や納品における業務フローの再構築に携わっています。

玉川:私はプロダクト開発局のエンジニアマネージャー、AI戦略本部の開発責任者として、主に漫画領域のシステム開発や、マーケティング領域におけるシステム開発および全社のAI活用推進などを担当しています。
開発では、私がマネジメントしているエンジニアチームがビジネスサイドの竹井さんと直接連携し、広告事業の最前線に入り込みながら進めています。私たちが作ったシステムを実際に使うのは、クリエイティブディレクターや構成制作を実際に行っているメンバーです。竹井さんが「広告クリエイティブ制作に関わるメンバーが何に困っていて、どうすればより良い制作フローが組めるのか」を抽出し、我々エンジニアメンバーもそれを受け取るだけでなく、事業課題を議論する段階から入り込んで、システムでどう実現するかを一緒に突き詰めています。課題があればすぐに話し合い、日々密にコミュニケーションをとっています。

―― ビジネスサイドから相談を受けた際、エンジニアとして大切にしているスタンスは何ですか?
玉川: 「ユーザーが本当に使ってくれるもの」をどう言語化し、形にするかということです。ビジネスサイドから依頼されたものをそのまま作るだけでは、実際に使われるシステムにならないことが多々あります。広告クリエイティブ制作に関わるメンバーが何に困っていて、AIを使ってどう解決できるのかという「本質」を紐解くことを大切にしています。
開発において、論理を組み立てるロジカルシンキングも重要ですが、それ以上に「本当にこれでいいんだっけ?」「これで課題は本質的に解決されるんだっけ?」と疑う「クリティカルシンキング」を強く意識しています。

表面的な要望の裏にある「真の課題」を紐解くアプローチ

―― 本質を突き詰める中で、制作メンバーからの要望と意見がすれ違うケースもあるのでしょうか?
竹井:制作メンバーへのヒアリングはとても大切ですが、単純に「どうすればもっと良くなりますか?」と聞くだけでは、真の課題が見えにくいこともあります。そのため、一度作業を分解し、「この作業は本当に人が考えて手作業で行うべきか?」と問い直す工程が必要です。
クリエイティブの質を高めるツールを作ろうとするだけでは、意外とうまくいきません。一見分かりづらい制作メンバーの課題とシステムの解決領域が一致し、課題が解決されて初めて、実務で活用されるツールが完成すると考えています。

玉川: 開発側から見ても、本質的な課題の見極めは非常に重要です。例えるなら、ユーザーから「コップが欲しい」という要望が来たとしても、本当の目的は「喉が渇いているから水を飲みたい」だったりします。要望通りに立派なコップを作っても、「実は蛇口がなかった」というすれ違いが起きることもあります。
例えば「資料作成が大変だから、同じフォーマットで出力されるシステムが欲しい」と言われた際、なぜそれが必要かを考えます。資料の目的が「社内でクリエイティブの良し悪しを判断すること」ならば、画像と最低限のコメントが載っていれば十分かもしれない。「顧客に提出するクリエイティブレポート」ならば、制作意図や実績などの情報も必要かもしれません。いきなり100点のものを時間かけて作るのではなく、まずは最低限のコアとなる要素を提供し、フィードバックをもらいながら追加開発するアプローチを取っています。

―― そのアプローチによって、実際に課題が解決され、生産性が向上した事例を教えてください。
竹井: ある出版社へクリエイティブを提出する際、「どの素材を使用したか」をまとめる資料を作成する必要があり、今までは手作業で画像を揃えるため1件あたり約20分かかっていました。その作業をエンジニアチームの力でシステム化した結果、5分程度に短縮できました。
20人のチームがそれぞれ20個の資料を作っていたと考えると、組織全体で約400分という膨大な時間の創出になります。もちろん、お預かりしている大切な素材を扱うために、セキュリティの担保や適切なデータ処理環境の構築も、エンジニアチームがクリアにしてくれました。制作現場の「手作業で時間がかかる」というマイナス要素を、システムによる「作業の削減(マイナス)」を掛け合わせることで、組織に大きなプラスの価値を生み出した事例です。

技術と人間の共存。クリエイティビティをより高みへ引き上げるために

―― プロジェクトを進める中で、苦労した点や壁になったことはありますか?
玉川:エンタメ領域においては、手作りならではの良さや、人が介入してイマジネーションを発揮することが大切です。広告は最終的に人が見るものなので、システムやAIだけで完結させるのは困難です。そこで、「人が考えて作るべき部分」と「システムによって簡略化できる部分」をどう切り離すかという舵取りに苦労しました。広告制作をサポートするシステムの開発にあたって、「人でなくても良い時間のかかる面倒な作業はシステムで簡略化し、空いた時間で人がクリエイティビティを発揮すべき業務に力を注ごう」という目的を伝え、制作メンバーと前向きに認識を合わせていくことを竹井さんが中心となって進めてくれました。

―― 竹井さんは、玉川さんとの会話や提案でハッとさせられたことはありましたか?
竹井: 私自身、最初は「AIによってクリエイターの仕事が代替されてしまうかもしれない」という懸念を持っていました。しかし、玉川さんが「人間が考える領域はずっと守らなければいけない。システムで効率化するところと、人間が手掛けるところを組み上げなければいけない」と明確に掲げてくださったんです。
その言葉で、自分のクリエイティブな良さを残しつつ、制作現場の課題かつシステムで解決できる領域だけをツールに処理させることで、より良いものを作っていけるのだと実感しました。車や自転車に乗れるようになるのと同じように、AIは便利な道具だと思えるようになりました。

―― エンジニアと制作メンバーが伴走することで、業務フローにどのような変化がありましたか?
竹井: 漫画広告のクリエイティブ業務は、クオリティを守るためにラフ案の作成や複数のディレクターによる入念なチェックなど、非常に緻密な工程を踏みます。そのため、関係者間のコミュニケーションコストやシステム間の移動といった、本来の「制作」以外の負荷がかかりやすい状態でした。そこへエンジニアチームから提案をいただき、システムを活用することでクリエイティブな判断はそのままに、最終的なアウトプットまでシンプルに進められるフローへと改善されました。
実際にクリエイティブディレクターがそのシステムを使って制作を行い、明確な事業成果にも繋がっています。

これからの時代に求められる「事業を牽引する」エンジニア像

―― 今後、CyberZで一緒に働きたい、また活躍できるエンジニアはどのような人でしょうか?
竹井: 経歴や職種などを気にせず、対等に話せる方とご一緒できると嬉しいです。「言われたものを作る」という直線的なやり取りではなく、実務での課題とテクノロジーの可能性をすり合わせながら一緒に進められる方です。
今までご一緒してやりやすかったのは、「これって、この目的のために作っているという認識で合っていますか?」と、設計の背景を何度も確認してくれる人でした。腑に落ちないまま作業するのではなく、お互いの目的とアウトプットを対等にすり合わせられる環境が理想です。

玉川: 技術が進歩し、定型的なコーディングや単純な実装作業はAIのサポートによって劇的に効率化される時代です。「では、人間であるエンジニアは何に価値を見出すのか?」と問われた時、最初からビジネスサイドとしっかり対話をして、「これってどういうことでしたっけ」「これを作ったら本当に作業が楽になりますか」と切り込んでいけるエンジニアが、この先も活躍していけると考えています。
CyberZはほぼ全てが新規開発という環境であり、特定の業界や事業領域にとらわれず、市場の流れを見て成長性の高い領域に攻めていける面白さがあります。事業成果に向き合える人には、非常に成長しやすい環境だと思います。

―― 最後に、記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
竹井: 恐らく、日本で生活している多くの人が毎日のように漫画広告に触れています。一見地味に見える作業があるかもしれませんが、日本を代表するコンテンツである漫画の広告に携われる非常にロマンのある仕事です。
エンジニアの皆さんの力と、私たちのクリエイティブの力が掛け合わさることで、その可能性は無限大に広がります。漫画を日本に、そして人に届けるというロマンを持って、ワクワクしながら一緒に働いてほしいと思います。

玉川: CyberZでは、開発メンバーが実際に広告を運用したり、マンガ広告の構成案を制作してみたりと、自分たちで実業務を深く理解することを大事にしています。利用者の視点で、利用者の感覚を持って開発を行わないと、本当に良いプロダクトは作れないからです。また、お互いにプロフェッショナルだからこそ、プロダクトを良くするために役職や職種を超えてフラットに意見をぶつけ合うことも歓迎しています。表面的な同調ではなく、本質的な指摘をし合える熱量を持って議論できる方なら、きっと活躍できると思います。事業を理解し、熱い気持ちでプロダクトに向き合ってくれる方をお待ちしています。

PAGETOP